肩書で仕事をすることに疑問を持たない人編

才能(資質)や性格、キャリア履歴を活かしたコーチングの事例。
ヒントになっていますか?

部長:「新しいプロジェクトのメンバーから相談を受けたんだが」
課長:「どんな相談でしょうか?PJは、とても活気があっていいチームです」

部長:「そうか、そうならいいが、メンバーはそう思っているんだろうか」
課長:「わたしが時間をかけて計画を立てた事業です。問題ありません。
何を思って部長に相談したんでしょうか」

部長:「いや、メンバーは君の仕事ぶりに疑問があるようだ」
課長:「仕事ぶりですか?わたしは、課長でもあり、PJのリーダーですから、きちんと指示、命令を与え、成果についても評価しています。何か、問題があるのでしょうか?」
部長:「どうなんだろう・・・」

課長:「PJリーダーですよ。わたしは。わたしがやりたいと思うことをやるのに、どうしていちいち、メンバーの意見を聞いて、調整する必要があるのでしょうか?」
部長:「まぁ、そういう考え方もある。しかし、みんなが満足しているのだろうか」

課長:「満足ですか?わたしは会社に利益をもたらすことが望まれているのであって、メンバーの満足感は、達成したら自然に高まると思います」
部長:「君自身は満足しているのかね?」

課長:「いえ、こんな成果ではまだまだです。それはメンバーも同じでしょう」
部長:「君に今すぐやってほしいことがある。メンバーを集めて、達成の基準や方法を話し合いなさい。これは要求です。受け入れますか?」

課長:「・・・・」

肩書や役職の力だけが頼りであるという上司は、だんだん減少してきましたが、まだまだ、自分の役割がなんであるかを理解していない上司にお目にかかることがあります。
かつての時代とは変わって、マンパワー、個人の成長力頼みでは、業績を上げ辛い社会です。仕事を通して自己成長に興味を示す若年層は、こういうタイプの上司の下では、長続きしません。
自分のやり方がすべて正しいと思いこんでいるような視野の狭い人に気づかせるには、断定的な表現が必要です。コーチングも、時には明確な要求を出してきっかけを与えることで変化を起こさせてみてはどうでしょうか?

肩書で仕事をすることに疑問を持たない人の特徴:
自分のやり方が最善だと思いこんでいる
上に立つことで、積年の我慢を晴らそうとしている
共感力が低い

肩書で仕事をすることに疑問を持たない人の行動特性:
自身にとって不都合な情報をカットする
信念があるわけではないので、指示がコロコロ変わり、部下を振り回す


竹内 和美

竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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