コーチングに関わるさまざまな関連手法を身につけ、コーチングを最大限に活かす。

コーチングと関連手法:コーチングを知る

コーチングと関連手法

(1)カウンセリング(心理カウンセリング):
「カウンセリング」の対象者は精神的な問題を抱えている健常者です。両者の関係は、カウンセラーとクライアントに終始します。また、どちらかといえば、治療的な側面を持ち、心理状態がマイナスからゼロ地点に向かうことで目的はほぼ達成したと考えます。
「カウンセリング」は一時的に自らの可能性を信じられなくなったり、「答え」を見失っているクライアントを、「問題発生の過去地点」まで遡り、気付きをうながし問題解決をサポートします。
「カウンセリング」は、問題の原因を発見し、癒すことを目的とします。
「コーチング」は、主な対象者は特定分野における成果の向上を求め、問題意識が明確な人です。両者の関係はパートナーシップという位置づけにあります。
クライアントは未来志向が強く、サポートに力点を置きます。更に、ゼロからプラスの方向への行動を促し具体的な成果を挙げることをゴールとします。
「クライアント自身が『答え』をもっている」「クライアントの気付きをうながす」「言語を通してサポートする」との意味では共通していますが、何を目的とするのかという点では、まったく異なった関わりかたをします。
「コーチング」は自らの無限の可能性を信じられ、目標達成の意思をもつクライアントの、「いまから未来」の「行動」をサポートします。
「コーチング」では、問題を解決するための目標を明確にし、解決するための具体的な行動を引き出すことを目的とします。
ただしカウンセリングの中には、治療よりも学習目的に重点を置き、決して過去にとどまらず、強い未来志向を持つ「キャリアカウンセリング」などもあります。この場合は、上記のような違いが当てはまらない部分もあることに注意しておきたいものです。
(2)コンサルティング:
基本的にコンサルティングは、特定の専門分野に限って行われるものです。これに対しコーチングでは、たとえばプロのコーチの仕事では対象者や対象分野を選ぶことはありません。その分野に関する専門知識がなくてもそれなりの成果を引き出すことが可能です。その点では、コーチングはコンサルティングと異なっています。
コンサルタントとはいわば「顧問役」であり、一方、コーチは「相談役」という表現で区別する定義もあります。
コンサルタントは、行動を提案することはあっても、引き出すことはしない、という点に違いがあります。
(3)アドバイジング:
アドバイジングとは、第三者の視点で状況を把握し、客観的助言や忠告を与えることです。
本人と異なる視点を持つことはコーチングにも必要な要素と言えますが、最も大きく違う点として、役割そのものが挙げられます。
アドバイジングでは「○○した方がよい」「○○すべきである」というような助言を与えるが、コーチは対象者が目標に到達するまで見届ける役割を果たすという違いがあるのです。
(4)ティーチング:
コーチングとの違いを一言で言うならば、ティーチングは基本的に指示命令型です。
これとまったく逆に、正解は対象者が持っていると考え、協働的な人間関係を結ぶのがコーチングです。
ティーチングには技術やノウハウを伝えるマニュアル的なものがあって、画一的な側面があるのに対し、コーチングは個々の対象者に合わせ、本人の自発的成長を促す為に質問型のコミュニケーションで進めていきます。
(5)メンタリング:
メンタリングという言葉は、ビジネスコーチングではほぼ同じ意味で使われています。
メンターとは、「信頼のおける相談相手」「よき指導者」「師匠」という意味で用いられています。企業においては、経験豊かな先輩社員が後輩社員に対し、その経験に基づいて指導や助言を行うことをメンタリングと呼んでいます。
ただし、コーチングでは必ずしも同じ組織の人間がコーチとなるわけではなく、未経験の分野についても対象とすることが可能である、という点がメンタリングとの大きな違いです。
(6)マネジング:
マネジングという言葉自体が様々な解釈をされがちですが、ここでは「経営資源を活用して経営目標を達成すること」と定義します。
マネジングでは現在の能力を活用して成果を生み出すのに対して、コーチングにおいては対象者の可能性を更に引き出そうと試みる、という違いです。
単なるマネジャーではなく、協働的人間関係をベースにしたリーダーの存在が、今後重要視されると言われているのです。