「リクエスト(要望)」

コーチのコーチングにおける姿勢は、基本的にはクライアントが自発的に行動することをサポートすることであり、コーチのほうから積極的に行動を促すことはあまりしません。

なぜならば、コーチとクライアントの間でのコーチが行う「リクエスト」(要望)は、ともすれば「リクエスト」(要望)の名を借りた「命令」になってしまいます、リーダーシップ・コーチングの場合は特にそうなりやすいものです。

上司にとっては「リクエスト」(要望)したつもりでも、部下にはそれが「命令」と感じられるものなのです。

部下が断ることのできないような上司からの「リクエスト」(要望)は、「リクエスト」(要望)ではなく「命令」になってしまうのです。

また、コーチの言うとおりに動くことにより、クライアントが自発的に考え、気付き、行動するというコーチングの本来もっている要素の妨げになるのです。

しかしながら、コーチングのやり取りのなかではコーチからクライアントに対し行動を促したほうがいいという局面が出てきます。

目標に向かって階段を上っていっている途中で、躊躇してしまっているような場合です。

その場合にはコーチからクライアントに対して「リクエスト」(要望)を行います。

但し、コーチからの「押し付け」にならないように留意する必要があります。
クライアントに無用なプレッシャーを与えてはならないのです。

できそうもないものを突然「リクエスト」(要望)してはいけません。

前置きをつけずに、さっと言ってしまうのも有効な方法です。

コーチの「リクエスト」(要望)に対して、クライアントが「やります」と答えることによって、クライアントにとっては「自己宣言」したこととなり前向きの気持ちになるものです