「コーチング」とは

人には達成したいと思う気持ちや目標があります。

その目標を、自ら決めた方法で積極的に素早く達成することができるように、個人的な特性と強みを活かし、その人が本来もっている能力と可能性を最大限に発揮することを目的として、自ら考えさせ、行動を促すために、相手の取るべき手段を引き出すコミュニケーションサポートです。

相手が考えて答えを出せるような質問をしたり、そういった考え方や思いをもつことを承認したり、積極的に相手の話を聴く力などたくさんのスキルを使って、その人が望む目標をより早く、より多く達成できるようサポートすることです。

わたしたちは子どもの頃から、家庭や学校、職場等で、教えられたとおりにできると、高い評価を得られてきました。

それは「答えはいつも自分以外の誰かがもっている」との考えを醸成することでもありました。

しかし、このようなありかたは、自ら考え行動する、自立した人間を求める現代にはそぐわなくなってきたのです。

「人は無限の可能性をもっている」「その人が必要とする答えはその人のなかにある」「その答えに気付くためにはサポートが必要である」この3つを基本に、クライアントが「自分の人生は自分でデザインし作っていく」との意思を持続させ、目標達成するのに必要なシステムがコーチングです。

「コーチング」は、目標達成やパフォーマンスの更なる向上を目指して、対象者を勇気付け、やる気を引き出し、自発的な行動を促すコミュニケーションスキルです。

具体的には、質問を投げかけ、考えてもらうことによって答え(取るべき行動)を明らかにしていきます。

ビジネスの場におけるコーチング

今日のような変化の激しい時代にあって、企業の存続を厳しく問われる状況下では、「消費者本位のモノづくり」や「顧客満足」を念頭に置いた企業経営が不可欠となっています。

このような動きの中では、より現場に近く、顧客との接点を持っている下位者の重要度が増しています。

そして、下位者の手にする、活きた情報を上位者がいかに吸い上げて、適切な対応に結びつけるか、ということが大事になっています。

こうした時代背景を踏まえた新しい人間関係とは「共生的人間関係」という考え方です。

共生とは、ある目的達成の為にお互いに協力し合い、補い合って行動することをいいます。

このような共生的人間関係の下では、上司から部下への一方向的な指示命令型コミュニケーションではなく、双方向的な質問型のコミュニケーションが基本となります。

その過程で発揮されるコミュニケーションスキルが、コーチングなのです。

日常生活の場におけるコーチング

人は一人ひとり、日々さまざまな事態に遭遇し、非常に多くの新しい情報にさらされています。

社会状況の激しい変化に伴い、実に多くの新しいことが一人ひとりの身の回りに起こっているのです。

そして、インターネットを始めとする情報伝達技術の画期的な進歩により、従来とは比べられないような量・質の情報が、従来とは比べられないスピードで舞い込んできています。

この膨大な情報は、今まで誰も経験したことのない状況を生み出しています。

発信・伝達される情報が多様化・複雑化していくことに比例するように、人々の対応も多様化・複雑化しています。

それ故、従来と同じやり方・おなじ考え方では答えが出にくくなっているのです。

経験豊富な人が、経験少ない人に対して、自分の経験に裏づけされた答えを提供するのでは、今の多様化・複雑化した状況では対応できないのです。

多様化・複雑化した情報にさらされ、一人ひとりの対応も多様化・複雑化している現在、それぞれが他人の気持ちをよく理解し、自分と違う対応の人についても受け入れて、自分の価値観を人に押し付けないことが大切になります。

そのためには、一人ひとりが自ら考え、自分とは何か、自分の考えとは何かをよくわかっておく必要があります。

そのうえで、人の気持ちを理解していくことが大切になるのです。

多様化・複雑化している人の気持ちをお互いに理解する過程で発揮されるコミュニケーションスキルが、コーチングです。