コミュニケーションにおける安心感

コミュニケーションの基本は、双方が信頼しているということです。

コーチを信頼していないクライアントは、自分の真実の声、本音を語りません。

いくら聞いていても、聞いていないような態度では、話し手は話をすること自体が嫌になってしまいます。

コーチとしてはクライアントがコーチのことを信頼して話しをするように、安心感を作らなければなりません。

ラポールの構築

クライアントに真実の声、本音を語ってもらわなければ、正しいコーチングはできません。

クライアントがコーチのことを心から信頼することによってはじめて、コーチングが可能となるのです。

クライアントがコーチのことを心から信頼し安心感をいだく関係が「ラポール」とよばれるものです。

それゆえ「ラポール」とは「こころとこころの架け橋」と言われているのです。

ラポールの構築の方法

1.コーチの態度

相手の話を100%聴いてあげるという態度が重要です。

2.クライアントにとって居心地のいい環境設定(座り方)をとります。

人と人の座り方としては、3通りの座り方があります。

ラポールの構築の方法(3つの座り方)

・対面法

正対して座る方法です。

両者が緊張関係となります。

上司が部下に指導・命令するような場合です。

お互いが見ているものが全く異なります。

共通のものを見ていません。

常に相手を見ていることになります。

・90度法

90度あるいは120度の角度にて座る方法です。

両者がリラックスできます。

お互いが共通のものを見ることができます。

必要によっては相手のことも見ることができます。

レストランの座り方などに用いられています。

・平衡法

隣に並んで座る方法です。

両者が最も親しくなれます。

恋人同士の座り方です。

お互いが共通の夢を見ることができます。

しかし、共通の夢がないとき、それぞれの考えていることが違うとき話しは平行線のままになってしまい、けっして交わりません。

クライアントにとって居心地のいい座り方は、90度法です。

90度法にて相対することを心がけることが重要となります。

ただし、細長いベンチのような長いすの場合、90度に座るのは困難。そのときは正対しないように、斜めの位置に座ります。

また、イスしかない場合は、イスの向きを直して「ハの字」に座ります。

座る位置をどこに取ればいいかわからないときは、クライアントに先に座ってもらって、コーチはそのあとで、90度法に近い形で座る位置を決めます。

ラポールの構築の方法(長いすの場合)

また、イスしかない場合は、イスの向きを直して「ハの字」に座ります。

ラポールの構築の方法(椅子しかない場合)

3.クライアントにとって心地よさを感じるコーチのしぐさボディ・ランゲージ(身体言語)

やや身を乗り出した姿勢でうなづくと、クライアントは自分の言うことを聞いてくれていると感じます。

腕組みをしたり、目を閉じたままでの傾聴では、クライアントの言葉が詰まってしまいます。

声の調子

クライアントに合わせて、声の高さ、速さを考えましょう。

方言を取り入れることによって、親近感を増すケースもあります。

小さな子と話しをしているときには、自然と幼児言葉になっているはずです。

→大人のしゃべり方をして、小さな子を怖がらさないように配慮しているのです。

視線の高さ
・コーチとクライアント同じ視線の高さにします。
・自分は座って、生徒を立たせて話しをしている職員室の先生×
・座っている子供の斜め後ろから、立って話しをしているお父さん×
・小さな子供に視線をあわせるために、しゃがんで話しをしているお母さん○

コーチのしてはいけないこと
・腕組み→クライアントの考えや意見を受け入れない態度、拒絶の態度
・足組み→クライアントの人格を無視する態度
・ズボンのポケットに手を入れる→傲慢な態度
・タバコを吸う→クライアントが喫煙者の場合をのぞく