リーダーシップとコーチングの関係
1.リーダーシップとコーチングの関係についての考え方:
ビジネスの場面においてコーチングは、一番情報を持っている最前線で仕事をしている部下の思いを引き出し、部下が自ら考え結論を出していき部下が成長していくことを上司として支援することであると考えられています。
そのことは間違いではありません。
問題なのはそのため上司が強いリーダーシップを発揮して部下を引っ張っていってはならないと考えてしまうことです。
つまり、コーチングとは上から指示命令するのではなく、下から情報を吸い上げていこうコミュニケーションのとり方であると思われてしまうのです。
しかし、それでは「上から情報を提供するという従来型の一方向からのコミュニケーション」が、「下から情報を提供するという従来型の一方向からのコミュニケーション」に変わっているだけとなります。
コーチングを学んだけれど実践では上手く機能しないという人は、この点での理解が誤っているのです。
リーダーシップをポジションパワーで行っている人が陥りやすい落とし穴です。
リーダーシップをポジションパワーで行っている人はコーチングもポジションパワーを使って行おうとするのです。
2.パーソナルパワーによるリーダーシップとコーチング:
部下においては立場上「上司だから仕方なく話をする」、「上司のいうことに従う」というのではなく、上司の人間的魅力に触れ「この人なら自分の気持ちを話ししよう」、「この人なら言っていることにも一理あるのだろう」ということになって、はじめて上司と部下の間でお互いの気持ちの通じ合えた「双方向のコミュニケーション」が機能するのです。
そしてこの時上司が行うコーチングが、リーダーシップ・コーチングと呼ばれるものである。
このリーダーシップ・コーチングは、一つの組織があればその中で必ず行われるコーチングです。
会社の上下関係だけでなく、実生活の場面においてもリーダーシップを発揮する際には、必ずこのリーダーシップ・コーチングが有効なものとなります。
リーダーシップ・コーチングとは何か
コーチングとは、ロジャースの、「人は誰でも自らの内部に、自己を成長させ、実現させる力(growth drive)を持っている」という考え方に基づき、相手が望んでいる目標があり、その目標を自ら達成することができるように、相手の持っている個人的な特性と強みを活かして、相手がその能力と可能性を最大限に発揮することを目的として、相手を自ら考えさせ行動を促すために、相手の取るべき手段を引き出すためのコミュニケーションサポート(支援)であると言われています。
この個人への支援の考え方を、集団のレベルに引き上げ、現在の状況下においてリーダーとして集団に対して何を行えばいいのかを考える過程で生まれた考え方です。
リーダーシップ・コーチングとは、ロジャースの、「人は誰でも自らの内部に、自己を成長させ、実現させる力(growth drive)を持っている」という考え方を発展させたものであり、「集団はどんな集団でも集団の内部に、集団を成長させ、実現させる力(growth drive)を持っている」という考え方に基づき、集団が望んでいる目標があって、その目標を集団の構成員が自ら達成することができるように、集団及び集団の構成員の持っている特性と強みを活かして、集団及び集団の構成員がその能力と可能性を最大限に発揮することを目的として、集団及び集団の構成員を自ら考えさせ行動を促すために、集団及び集団の構成員の取るべき手段を引き出すためのコミュニケーションサポート(支援)であると言えます。
答えは必ずその集団の中にあります、リーダーはそれを引き出すために、あらゆる手段を駆使してサポートするということです。
リーダーシップ・コーチングでリーダーの行うこと
1.リーダーシップ・コーチングにおけるリーダーの任務:
(1)集団の目標の完遂
(2)集団構成員の成長
2.リーダーシップ・コーチングにおけるリーダーの役割:
〔価値観の共有〕
(1)目標の策定・説明(透明性・公平性)
・参画意識の醸成
(2)現状分析、状況の説明(透明性・公平性)
・傾聴、承認、質問、議論
(3)課題の発掘・提供(共有化、明確化)
・傾聴、承認、質問、議論
(4)戦略の立案・説明・実行(共有化、明確化)
・傾聴、承認、質問、議論
〔集団構成員の成長〕
(1)部下への信頼(透明性・公平性)
・権限委譲
(2)リーダーが最終責任
・責任の明確化
リーダーシップ・コーチングを行うリーダーとしての心構え
1.自分自身の成長を図ります。
自分自身をコーチングする(セルフコーチング)
ロジャースの、「私は私の内部に、私を成長させ、実現させる力(growth drive)を持っている」という考え方に基づき、私には私が望んでいる目標があり、その目標を自ら達成することができるように、私の持っている個人的な特性と強みを活かして、私がその能力と可能性を最大限に発揮することを目的として、私を自ら考えさせ行動を促すために、私の取るべき手段を引き出すため、私が私自身をコーチングします。
「自分自身をセルフコーチングできないコーチが、クライアントをコーチできるのか」と言われています。
メンバーはリーダーの一挙手一投足に注目しているのです。
リーダーはメンバーの模範とならなければなりません。
2.自分として尊敬できるリーダー(偉大なリーダー)に学びましょう。
自分として尊敬できるリーダー(偉大なリーダー)の生き様を考え、いいところのマネをし(学ぶとはマネぶことである考えましょう)、アイデアを借りることです。
3.集団構成員の成長を図ります。
リーダーとしての立場をわきまえ、安易に「コーチング」のみに走らないようにします。
物分りのいい上司になろうとしてはいけません。
「やさしさ」と「強さ」を備えた魅力ある人物になることです。
→それで初めて、相互信頼がとれて、リーダーシップ・コーチングができるのです。
リーダーシップを身につけたい方へ
<講座主宰者:白根陸夫より>・・
管理職又は管理・監督職を目指す人が自身のマネジメントスキル強化のために、或いはすでにその立場にある人が自身の管理スタイルが現場で必ずしもフィットしていないために、効果的なスキルを身につける必要に迫られてコーチングを学ぼうとするビジネスパーソンが多くいらっしゃいます。
コーチングスキルの中でも、リーダーシップコーチング修得に関心が高いといえます。
リーダーシップコーチングのポイントは、クライアントに自分の強みを発揮したリーダーとしてのスタイルを考えさせることです。
リーダーって何をすればいいのでしょうか?
「管理職だから立場を利用して部下を締め付ければいい」、それが管理だと早合点してりーダーとしての役割やスタイルを学ばず、思い込みによってマイ・スタイルでいる人ほど時間経過とともに悩みが大きくなるようです。
業績も上がりません。
立場は違いますが、コーチングスキルを知らなかったばかりに、新任マネジャーとして赴任した管理者が、職場の古参社員と連携が取れず、自分の理想論をかざして目標達成を急ぐあまり、部下との間に大きな溝ができてしまうケースも目立ちます。
理想を高く掲げることは大切なことですが、理想とする職場のイメージを部下に話せないことや、理想の職場づくりのための情報収集や交換を、古参社員とできなかったことなど、問題は双方にあることに気づくまでに、実績を上げることもできずに悩み苦しむ時間が長くなってしまうことがよくあります。
「もっと早くコーチングを学び実践していれば、部下のために、自分のために、そして組織のためによかったのに」とこの養成講座を卒業された方々の等しく異口同音の感想です。
ビジネスパーソン必須のマネジメントスキル「コーチング」「リーダーシップコーチング」を一刻も早く修得し、組織内で実践することによって、輝く未来をあなたの手で掴むことを願っています!
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