人格やキャリア履歴を活かしたコーチングの事例

自己肯定感や自己重要感が低いマネジャーは、まず、自分を成長させる必要があります。
業界によっては、若い世代に現場のトップを任せなければならない場合があります。経験も少ないリーダーを育てるヒントになればうれしいです。

どうせ私のやることなんて・・・
「理想のマネジャー像とのギャップ編」

店長:「新しい企画で、6週間のイベントをやっているんですが・・・取引先にもこの程度?って思われているようで・・・」
役員:「歯切れが悪いね」

店長:「はぁ、元々、イベント会社の持ち込み企画ですし、やったことがないし、準備の時間もそんなに持てず、苦戦しているんです」
役員:「苦戦かぁ・・それは辛いな」

店長:「マーケティングも十分手を打てたかどうか・・・」
役員:「やったことがないのであれば、他のイベントと比較せず、通年の同月で比較して、売り上げは伸びてないのか?」

店長:「いえ、それは伸びてます。天気も恵まれていますし、施設全体の客足も伸びていると聞いています」
役員:「で、何が苦戦の原因なのかね?」

店長:「部下の対応が、ほんとうにそれでいいのか?とか、取引先の応援などを要請する日に限って、客足が伸びないとか。自分の経営センスを問われているように思えてならないのです」
役員:「考えすぎているようにも思うが、自分の仕事に悩みを抱えるほど、真剣に考えてくれていることを、うれしく思う。」

店長:「ありがとうございます。でも、結果が出ないと・・」
役員:「一つ、君に必要な事を示したいが、いいかな。そんなに自分を見くびって何か・・・そうだな、勇気や決断ができるものなのかな?
まず、君は、自分が理想とする店長がどんなイメージか、明確に描け。そして、今の自分とのギャップを感じる理由を書き出してみたらいい。やったことがないことに挑戦しようと思った、その君の心意気を役員会は承認したわけで、その理由を、役員のわたしの立場から考えてみよう。いつでも考えがまとまったら、連絡してきなさい。話を聴く。このイベントを成功させるには、君の自分を信じる気持ちが左右する。そして、そういう理由で失敗をさせたくはない。このイベントの成功が、君の自己好意感を高めることになるから、真剣に頼むよ」

経験が少ないと、どうしても失敗する理由を思いつくことが多くなります。
人を育てるには、実学は重要で、「やらせてみなければ、人は育たず」という基本的な教え通り、行動を促しましょう。しかし、そのためには、承認する、励ます、考えさせるという地道な育成を忘れないようにしましょう。

よく使う用言
「どうせ・・・」
「(自分なんて)こんなもんですよ」

行動の特徴
自分の中だけで考えて、行動が鈍る
自分以外、 周りに協力者がいないと思い込み、一人で抱えこむ


竹内 和美

竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
講師プロフィールを見る