「成長支援に興味がある上司とない課長編

才能(資質)や性格、キャリア履歴を活かしたコーチングの事例。
動かない会話を動かすきっかけになれば、うれしいです。

部長:「どうかね?この頃の若い世代は、自己成長に興味を持っていると思わないかね?」
課長:「はぁ、自己成長ですか・・・やれる子はやれるし、やれない子の方が多いですから。そんなに前向きな部下ばかりではないように思います」

部長:「そうかなぁ。この間、東君と京谷さんと話をしたが、それぞれ面白いアイデアを持っていたよ。成長を予感させるものがあると思ったよ」
課長:「部長は、毎日を知らないからですよ。あの二人は、まだ、自分の行動計画すら、自分では立てられないんですよ」

部長:「それは、課長の指導が悪いからじゃないのかね」
課長:「(沈黙)・・・・」

部長:「そもそも、君は、年間どのくらい、自分磨きに投資しているのかね?」
課長:「本を買ったり、ジムに行くお金を集めたりすれば、まずまずの投資だと思いますが・・・」

部長:「そういう投資で、自分が成長したという実感はあるのかね」
課長:「実感・・・ですか・・・」

部長:「そうだよ。人を育てる役割を持ったなら、自分が成長している実感を得ることだよ。そうじゃなきゃ、自分を成長させる喜びを知らなくちゃ、できることじゃないだろう。時間もかかるし、育てる君の方に忍耐力が必要なことだからね。君はいつも、部下に細やかな目配りをしてくれているし、指導も適切だ。が、同時に、できないことができた時、部下と一緒に喜ぶというような係わりを見たことがない。どこか、冷たいというか・・仕事だからやっているという感じがする。人は、成長するものだけれども、企業内においては、成長させてあげるような係わりが必要だよ。勝手に育った部下は、いつか、自分の目を他に移す。信頼関係を維持し、会社の利益に貢献できるようにするためには、育てるという行為が必要なんだと、わたしは常に考えるが、違うかな」
課長:「おっしゃる通りです」

部長:「時間をかけるなとは言わない。しかし、時間をかけすぎても、ダメなものはダメなこともある。どうしたら、もっと相手をやる気にさせ、挑戦する勇気や覚悟が持てるようになるか考えてみてほしい。そのためには、若い社員と話をする時間を増やしてみることと、その時、今目の前にいる部下を受け入れることだよ。君には期待しているよ」
課長:「はい。ありがとうございます」

今後はますます労働力不足になります。
一人の人の能力を上げて、効果性の高い事業展開を考える時、避けて通ることができないのは、「人材育成」です。
思いつくままに訓練をするようなことを避けるためにも、戦略を立てて、計画通りに進めてくださいね。


竹内 和美

竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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