自己信頼感の低い部下の育成

才能(資質)や性格、キャリア履歴を活かしたコーチングの事例。
ヒントになっていますか?

係長:「ありがとう。ようやく契約が成立したそうだね」
部下:「いやぁ、あんなに長く時間をいただいた件ですから、ぜんぜん褒められないです」

係長:「そんなことはないよ。ここまでよく粘ってくれたと思っている」
部下:「いえいえ、係長のフォローのおかげです。自分では何もできていないですから。」

係長:「そうかな?一生懸命頑張ったと思っているんだけどな。自覚がないのも残念だな」
部下:「なぜ、残念なんですか?わたしはまだ、期待を寄せていただける人間じゃないです」

係長:「自分に厳しいことはいいことだが、自分を褒める力もつけないとな。君が先輩になったり、上司になった時、部下に厳しくなりすぎることを考えないとな」
部下:「係長は、私のそんな将来まで考えてくださっているんですか?」

係長:「キャリアは、今、ここに集中することも大事だけれども、キャリアターゲットだけでなく、ビジョンを持たないと、自分の成長が実感できないばかりか、自分の才能や能力の使いまわしができないから、成果が安定しないんだ」
部下:「そうなんですね。僕の契約は常に小さくて・・・少しもチームへの貢献ができずに、苦しいんです」

係長:「君たちの年代は、誰かの役に立ちたいと思う気持ちが強いのは傾向としてあるようだね。しかし、他者への貢献は、自分への貢献とバランスがいるんだ。自分ご褒美ばかりも困るが、他者貢献だけでは心も体ももたなくなる。」
部下:「そうなんですね。でも、自分を自分で認めるのは抵抗があります」

係長:「私が何か手伝ったら、自己認識を高めることができると思うか?」
部下:「ん・・・・考えたことがないので・・・」

係長:「焦らず、ゆっくりでいい。自分を受け入れよう。悪いことだけじゃなく、良い方もね」

自分の価値観は、いつも自分の中心になるため、気づかず過ごすことが多いものです。
自分への評価が厳しい人は、他人にも評価が厳しくなりがちです。
職場が求める評価の基準を、実感させることによって、自分と周りの見え方を変化させることができます。
また、キャリアとは、繰り返し実行して成果を得て初めて習慣化させることができるものです。
基準を肌で感じさせ、成功を満たししているのかいないのかを教えるとともに、
今回の成功を次に活かすためにどうしたら良いかを考えさえるために、一つの行動の結果は、必ずフィードバックしてフォローするようにしましょう。


竹内 和美

竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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