自分の役割を認識させる

各地に大雪が降り積もっていますね。自然の営みに、人は無理に抵抗するよりも、それを受け入れ、したがっていこうとすると、生活の中に工夫が生まれます。そんな工夫をして楽しんでいる皆さん、どうぞご自身にありがとうを。頑張っているな!をどうぞ。

さて、今回は、自分の役割が理解できていない管理職とのコーチングを考えましょう。
専門的知識をもっていることが、逆に、いつまでも現場思考にさせているという上司。皆さんの周りにはいませんよね?

A氏:「いやぁ、ホントに毎日忙しくてねぇ・・いっぱいいっぱいです」
コーチ:「それはたいへんな毎日ですね」

A氏:「そうなんですよ。すっごく忙しくてたいへんなんですよねぇ」
コーチ:「具体的に、どんな忙しさがあるんですか?」

A氏:「そりゃぁ、もう、たくさんあるんです。例えば、現場で機械が止まるでしょ?そうしたら、僕は点検にいかなければならない」
コーチ:「係の社員はいらっしゃらないんですか?」

A氏:「いや、いますよ。でも・・・やっぱりわたしが確認しておかないと。また、同じ事故を起こして会社に損失を与えたくはないですからねぇ・・」
コーチ:「まぁ、そうかもしれませんが、それでご自身が忙しくなってしまうのであれば、部下の育成のためにも、お任せになられるのも一つの方法ではないですか?」

A氏:「理想は、部下が育ってくれて、任せることができることですかねぇ・・」
コーチ:「今、一番手放したい仕事はなんですか?」

A氏:「できれば全部・・と言いたいところですが、現状では難しいでしょう。現場の仕事は、自分がいなければ廻りませんから。よしんば任せたとして、責任は自分がとるわけですから、それ
なら、納得できるよう、自分が動くしかないです」
コーチ:「では、管理者としての自分の役割はどんな仕事をどんな順番でこなすことだと思いますか?」

A氏:「それは難しい質問ですね。毎日毎日、日々いろんな問題が発生するし。まぁ、管理者としての仕事は、ぼちぼちやっても遅れて取り返しがつかないことはなさそうだから、それが後回しにできるのかなぁ」
コーチ:「では、Aさんの上司は、Aさんにどんなことを期待して、管理者としたか、考えてみましょうか?」

A氏:「・・・・・・」

管理者がすべてリーダーだと考える必要はありませんが、A氏の職場では、リーダーであることも望んでいます。
リーダーは、チームのビジョンを描くという、他の人にはできない役割を与えてもらえます。
日々の業務を完全にこなすことは大切です。
しかし、リーダーにしかできない、ビジョンが描けないのであれば、
明日、危機に陥るかもしれないと言うリスクに備えておくことができないのであれば、それは、管理者と言えるのでしょうか?

A氏とのコーチングは、現在、自分の役割を認識させることをテーマに続けています。


竹内 和美

竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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