喫茶店を開店したい専業主婦の悩み~専業主婦の夢を実現する嫁と姑のコミュニケーション~
「大学を出て、すぐに主人と結婚して子供を設け、夫のため、子供のためにとずっと専業主婦と専業母に徹してきた」という林田さんが、はじめて自分の力だけで西洋人形を展示した喫茶店を開くという目標を立てました。
「西洋人形を展示した喫茶店を開くというのは、若いころからの夢だったの。でもずーと専業主婦と専業母だったでしょ。そんな私に出来るかしら?」と、子供たちのお嫁さんにプランを打ち明けたところ、お二人のお嫁さんたちは、すぐさま「応援します!」「お手伝いします!」と、乗ってきてくれたと嬉しそうでした。
ところが、順調そうに見えていた準備が、なぜかなかなか進まなくなっています。
お話を伺うと、メニューにゼリーをどうしても入れたいのだけれども、それはおかしいだろうか?
コーヒーをお出しするのはお嫁さんが得意だけど、ゼリーを召し上がっている隣の席でコーヒーの香りがするのはどうかしら?
など、たいへんな迷いようです。
目標である喫茶店を開くという期日は、来年の十月と決めてあります。
当初障害になるであろうと思っていた改装資金は、貯蓄を取り崩すことでクリアした矢先のこと。やはり、専業主婦にはムリなのかしらと、ずっと悩んでしまったままでした。
あんなに楽しかったのに、今ではそう思っただけで満足してやっぱり専業主婦でいこうかしらと後戻りしようかと思い始めています。
そんな時、お嫁さんの一人が姑である林田さんに話しかけました。
「お母さんは、このごろ何を迷っていらっしゃるんですか?
頂上(開店)まではまだまだ遠いけれども、確実に前に進んでいますよね?」
「私たちに今、出来ることは何かないですか? お母さん一人で考えないで、私も今すぐお手伝い出来ることを言っていただけると嬉しい」と、手伝いを申し出てくれたのでした。
「実はメニューにゼリーを入れたいんだけど、どうだろうかと、あれこれ考えているうちに混乱してしまって何がなんだか分からなくなってしまったの」
「お母様の夢は喫茶店を開くということでしょ。それなら、ゼリーとコーヒーの両立したお店というのは、どういう形になるのか考えて見ましょうよ」
「そして、その場合、どうしたら問題が解決するのかを考えればいいんじゃないですか」
目標を達成するために、障害になる問題は何か?解決するために使える資源は何かを考えるきっかけをつくってくれたのです。
実は、林田さんは、コーチングを学習してあしかけ二年のベテランだったのです。
うっかり、自分のことになると、コーチングを機能させることを忘れて突っ走っていたのですが、改めてコーチングを身近に感じ、セルフコーチングしながら、来年の開店目指し、準備を快調に進めています。
「専業主婦・専業母だってやれば出来る!」と喫茶店のカウンターに立って胸を張っている自分の姿を夢見ながらゴールに向かっています。
竹内 和美 (たけうち かずみ)
エイジング・アドバイザー®/世渡り指南師®/プロフェッショナル・キャリア・カウンセラー®/認定キャリア・コンサルタント/認定エグゼクティブ・コーチ
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